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田辺 文也
日本原子力学会誌, 34(9), p.822 - 825, 1992/09
原子力発電プラントのような巨大・複雑システムにおいては、事故時に発生する事態を予め完全に想定して、備えをしておくことは原理的に不可能と考えられる。このような想定外の事態が発表した場合には運転員に独創的かつ適確な対処を行うことを期待することになる。こうした知的対処能力を運転/保守の専門家が獲得/維持することをどのように保証するかは、潜在的に公衆への大きな危険をもたらす可能性をもっている巨大・複雑システムの安全を維持するうえでの、最も重要なポイントの一つである。従ってAI技術等の活用により創り出されようとしているマンマシンインタフェースの知、即ち機械系の知は運転保守の専門家の運転操作活動を支援することはもとより、これら専門家が維持すべき知的対処能力の獲得・維持を支援することが重要である。